最新ドイツ情報 第六回

ドイツ保育事情その2 感覚の部屋【Snoezelenraum】

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感覚の部屋(スヌーズレンラウム)の案内板 様々な感触が楽しめる壁


私がお世話になった園では、感覚の部屋(スヌーズレンラウム)があり、
子どもたちがくつろぎながら色々な事が楽しんで学べるようになっていました。
スヌーズレンとは日本ではあまりなじみのない言葉なのですが、
オランダのエーデという町の知的障がいをもつ人々が住む施設で生まれた活動や理念の事をいうそうです。それは、どういったものかと言いますと、
どんなに障がいが重い人でも楽しく過ごせるように光、音、におい、振動、温度、
触覚に関するものなど、色々な物を使ってリラックスしてすごせる場所を作るというものでした。
それは重い障がいをもつ人のみではなく、どんな人でも、ありのままの自分が受け止められ、
自分で選び、自分のペースで楽しむための、人生の大切な時間や場所となりました。
それが受け入れられ、全世界に広がっていったのですが、
特にヨーロッパの幼稚園では子どもの成長発達には様々な感覚刺激が必要だという事で受け入れられ、
園の中にスヌーズレンラウム(ラウムはドイツ語で部屋という意味です)が取り入れられてきたのです。
それがドイツにも伝わってきて、私のお世話になっていた公立(町立)の園にも設置されていました。
色々な感触の手触りが楽しめる壁や、みんなで寝転べるような大きなマットレス(クッション)、
スイッチを入れると下から泡がポコポコと浮き出てきてライトに照らされ色々な色に変わる装置や
ミラーボール、イタリアのレッジョ・エミリアからきた三角形になっていて入ってのぞくと
万華鏡のようになる大型鏡、色々な色にひかる光ファイバー端子、
もちろん聴いた瞬間に眠りに落ちそうな曲もCDに用意されていたりと、
大きな環境だけでもリラックスして一日中でも居れそうです。
それ以外の小さなものでも、色々な手触りのボールや布、波の効果音をつくる時に使いそうな
小さな豆の入ったザルなどとてもたくさんのおもちゃが用意されていました。

そして、やっぱり一番気になったのがボードゲームで、
こんなところにも数種類のゲームがあって使われているのはさすがドイツとしか言いようがない感じです。
どんなものかひとつご紹介すると、匂いで当てるメモリー(神経衰弱)です。
色々な匂い(例えば、ココナッツ、バナナ、カカオ、バニラなど)を嗅いでその匂いが何かを当てる
といったものです。
ただ、これが日本の保育と違うなーと思ったのですが、
保育士が「これは何の匂いかしら?」と子どもたち一人ずつ順に匂いをかがせます。
すると子どもたちは「バナナ!」「いちご!」など感じたことをそれぞれ言います。
そして最後に「これはバナナだったねー」などと答えを言うわけですが、
日本だと「当たり!」とすぐに正否のみを言ってしまう事が多く感じられるのですが、
そうではなくて正解はこれなんだけど間違っても特に何も言われる事なく、
それぞれが発言したことを大事にとらえられているといった感じでした。
ドイツで保育をしていると、細部に個人が尊重されているなと感じる事は本当にたくさんありますね。
日本もみならえればいいなと元保育士としては思いますね。